自分のキャリアアップや、結婚や出産などのライフイベントを迎えた時に考えるのが転職です。医師の転職は売り手市場のため、多忙の中で無理に転職先を探すよりも退職してから転職先を探すといった考え方もあります。しかし、できれば途切れることなく働き続けたいものです。自身の希望に合った職場で次のキャリアをスタートさせるため、効率よく転職活動を行いましょう。転職に適した時期や進め方、また心得ておくべきことをお伝えします。
転職先への入職者が多いのは4月と10月
医師の転職市場は、1年を通じて盛況です。
そのため退職してから転職先を探すといった考え方もありますが、万が一転職先が見つからないと焦ってしまいますし、保険の事や次に臨床につくまでのブランクも気になりますよね。
そのため、人事異動の多い時期に合わせて転職をする人が多いようです。人事異動が最も多い時期は年度初めの4月と、下期に切り替わる10月です。4月や10月は、医療機関が人員体制を見直すタイミングであり、それに伴って求人数も増える傾向にあります。
そうした時期を見計らって動けば、希望に沿ったポストや職場が見つかる可能性が高まるでしょう。 また人事異動が多い時期ということは、仕事や事務作業の区切りが良いタイミングともいえます。退職交渉も滞りなく進み、引き継ぎも円滑に行える可能性が高いでしょう。
転職エージェントに登録する
朝から夜まで、さらに当直勤務をしながらの転職活動は大変です。しかし焦って探せば、自分にとって良い求人かどうかの判断もできなくなるかもしれません。その場合は、医師に特化した転職エージェントに登録することをお勧めします。
登録すると、転職エージェントは転職を希望する理由や、重視している条件などのヒアリングを行います。その際には、自分のスキルや経験を活かしたいといった希望や、給与や待遇、休日、さらには働く希望エリアや当直勤務のない病院を望んでいるなど、希望を具体的に伝えましょう。たとえ具体的に考えていなくても、転職エージェントは定期的に求人情報を紹介してくれます。
また転職エージェントは、履歴書や職務経歴書の書き方や、面接の対策アドバイスもしてくれます。すると「面接官はどのようなところを見ているか」が分かるので、第三者の目を通した自己分析ができます。自分の判断だけでは分からなかった、本当に自分に合った職場を知れるかもしれません。
効率的で満足できる転職活動を行うために、転職エージェントのサポートをぜひ活用したいものです。
転職する本当の理由を明確にする
転職活動をするにあたって、「なぜ転職をしたいのか」といった理由を明確にしておくことはとても大切です。
例えば毎日が多忙で疲労がたまる一方だから、もっとゆっくり働ける職場を求めて転職したいと思っていても、本当の理由は多忙ではないのかもしれません。いくら多忙でも、充実感を持って働いている人は大勢いるからです。
もしかしたら、労働に見合う報酬がもらえていないことへの不満が、転職したい本当の理由かもしれません。あるいは余暇の時間が少なく、勉強したくても時間が取れないことへのストレスが理由かもしれません。
表面上の理由と本当の理由は異なっている場合があります。深く考えずに表面上の理由だけで転職活動をすれば、無事に転職できたとしてもミスマッチがおき、短期間で退職するといったリスクも高まります。
そのような事態を避けるためにも、転職エージェントによく相談をしましょう。また、家族や友人・知人に話を聞いてもらうのも良いかもしれません。自分の心の中にある本当の不満や転職の動機を明確にしておきましょう。
期限を決める
転職の意思がはっきりしたら、いつまでに転職するか期限を決めましょう。一般的には、退職の3カ月から半年前に職場に申し伝えます。そうすれば、たとえ多くの患者さまを担当していても、無理なく後任に引き継げますし円満退職につながります。
退職1カ月前になって突然退職を伝えるなどといった行為は、医師として、また社会人として通用しません。人員不足などで慰留される可能性もありますので、必ず余裕をもたせたスケジュールで転職活動を行いましょう。
退職は最後まで慎重に
転職予定の職場から内定をもらったら、次に行うのが現職場との退職交渉です。この退職交渉は、慎重に行う必要があります。なぜなら、基本的に病院側は医師に辞めてほしくないからです。新たに採用の必要がありますし、通っていただいている患者さまを末永く診ていただきたいので、なるべく一人の医師に長く続けてもらいたいのです。
だからこそ、退職の1カ月前になって突然退職の意向を伝えるなどといった行為は、社会人としての責任を無視した行為と言えるのではないでしょうか。その場合、今後の医師としての働き方を大きく制限される事も考えられるので気を付けましょう。
また退職の意向を伝えたのち、労働条件の変更や、あと数カ月でいいから残ってほしいなどと慰留されることも大いに考えられます。しかしそこで気持ちが揺らいでは、転職先の職場に迷惑をかけることになります。もし慰留を受けた場合は、はっきりお断りした方がいいでしょう。
退職交渉を円滑に行うためにも、なぜ自分は転職したいのかを明確にしておき、そして自分の中でしっかりと退職期限を決めて転職活動に臨むようにしましょう。
まとめ
・転職がスムーズに進む可能性が高い時期は、4月と10月です。
・希望や要望に沿った転職先を効率よく見つけるために、医師に特化した転職エージェントに登録しましょう。
・自分の中にある、転職したい本当の理由を明確にしておきましょう。思いを深掘りしておくことが大切です。
・退職する期限を、自分の中で決めておきましょう。
・転職の意向は、6カ月前を目安に伝えましょう。
・円滑な引継ぎを行うためにも、退職交渉は期間に余裕を持たせて臨みましょう。
今の働き方が、自分の望みやライフスタイルに合わなくなったなと感じて転職が頭をよぎっても、何となく良さそうな職場をと闇雲に探していては理想の転職は望めません。効率よくスムーズな転職活動のため、なぜ自分は転職したいのかという理由を明らかにするところから始めてみましょう。
「キャディカル医師.転職」のキャリアアドバイザーは、希望に沿った転職先はもちろんのこと、転職するにあたっての準備や心構えといったご相談を、いつでも承っています。お困りのことがありましたら弊社お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!