多様な生き方や働き方が広まる今、自分らしく仕事に取り組む人材は社会に不可欠な存在です。ただ、仕事と私生活のバランス、いわゆるワークライフバランスに悩む人は多く、特に医師は勤務時間、勤務内容とも非常にハードで、ともすれば私生活を犠牲にしてしまうことも。仕事にやりがいを感じていたとしても、日常生活に支障をきたすほどの理由がある場合は転職の機会ととらえましょう。
本コラムでは女性医師ならではの転職の理由や医療機関の選び方など、転職に役立つ情報をお伝えします。
目次
活躍する女性医師
厚生労働省のデータによると、2020(令和2)年の全国の届出医師数は339,623人。男性が262,077人であるのに対し、女性は77,546人で全体の22.8%を占めています。2018(平成30)年は医師数327,210人、男性255,452人、女性71,758人で女性は21.9%でした。ゆるやかながらも女性医師は増加していることがわかります。
では、女性医師が長く活躍する社会を実現するためには何が大切でしょうか。かつての「女は家庭を守る」という古い常識は過ぎ去りました。今はあらゆる職業において、出産や育児によってキャリアを犠牲にしないよう、女性の活躍を周囲がサポートする時代です。もちろん、医師のようなハードな職業も例外ではありません。家族の協力や勤務先からの支援を受けながら、女性医師がいきいきと働く社会の実現が望まれます。
ただ、医療機関によって女性医師への支援体制や風潮に違いがあるのも事実です。特にライフステージの変化を迎えた女性医師の場合、現在の職場で働き続けるのは困難だと考えることもあるでしょう。女性医師が転職を選ぶ主な理由とその解決策についてまとめてみました。
女性医師の転職理由①
ライフステージの変化
多くの場合が20代で医師になり、プライベートでは結婚や出産、育児や親の介護などを経験します。ライフステージの変化に伴う転居により、勤務先への通勤が困難になることも。また、ワークライフバランスを見直した結果、長時間労働や急な呼び出しのない環境を求める女性医師も多いと思います。
<解決策>
いずれの場合も個人の生活を大切にしたい、家族と過ごす時間を増やしたい、子どもや高齢の親に寄り添いたいといった、人としての自然な心の現れといえるでしょう。家族との話し合いはもちろん、上司に相談することで時短勤務やテレワークの導入等で解決できるかもしれません。その前例がのちに続く後輩の女性医師の働きやすさにもつながります。
女性医師の転職理由②
キャリアアップや専門性の追求
医師全体に占める女性の割合は2割強。医師の世界は依然として男性社会といえます。医療機関によっては、男性に比較して女性の上級職が少ないところもあるようです。
もし、「自分の可能性を大いに発揮できる職場は他にあるのではないか」と感じたら、その前向きな気持ちを昇華させるためにも転職活動を開始してみてはいかがでしょうか。
もちろん、特定の専門分野をさらに究めたい、新たな分野の医療技術を習得したいと理由から転職を選ぶ女性医師もいます。
<解決策>
現状の不満に甘んじることなく、ポジティブな理由で転職するケースです。医師としてのキャリアアップが現在の職場でも見込めるかどうか、まずは上司に相談してみてもよいでしょう。難しいとわかったら転職し、人生と医師としてのキャリアをさらに充実させる機会ととらえてください。
女性医師の転職理由③
待遇などの労働条件
給与面、残業時間、有給休暇がとりにくいといった労働条件がネックとなり転職を始める女性医師もいます。
<解決策>
待遇面については勤務先の規定があると思いますが、上司を通して相談することで改善が見込めるかもしれません。残業や有給休暇の取得については職場全体の問題でもあるため、特に勤続年数が長くなるほど不満な点に慣れてしまったり、あきらめて受け入れてしまったりすることも。「おかしい」と感じたら、改善策を提案するなどの行動に移してみるとよいでしょう。解決が難しければ転職の道を選ぶと良いと思います。
女性医師の転職理由④
人間関係の悩み
医師に限ったことではありませんが、人間関係のよしあしは心に強い影響を与えます。ビジネスライクに徹することができず、人間関係の悩みが大きなストレスに発展してしまうと、心と体に不調をきたすこともあります。
<解決策>
人間関係の悩みについて、考えられる解決策は主に2つ。1つめはストレス解消を習慣化するやり方です。勤務中は割り切り、帰宅後は家族やペットと過ごしたり、趣味に打ち込んだりしながらプライベートを充実させます。仕事の内容に不満がなく、「明日もがんばろう」と自然に思えることができればしばらく様子を見るのも一つの手です。ただし、「自分は今のままで大丈夫」と我慢するのはNGです。2つめは上司への相談です。例として異動を願い出る、話し合いの場をもうけてもらうといった方法もあります。いずれにしても相手のある問題ですから思い通りにいかないこともあるでしょう。せっかく医師になったのですから、悩みから自分を解放させるために転職を選ぶのはアリだと思います。
また、さまざまなハラスメントに悩む女性医師もいます。さらなる被害を防ぎ、不本意な転職に至らないよう、相談窓口を活用して解決をはかることをおすすめします。
働きやすい職場選び
転職したい自分の気持ちとしっかり向き合ったものの、何から手を付けたらわからないという医師も多いと思います。まずは、転職先選びの目安をお伝えします。
ワークライフバランスを重視する育児中の女性医師の場合、育児支援は見逃せないポイントです。例として託児所の有無、育児休暇のとりやすさなどを押さえておきましょう。また、時差勤務や短時間勤務の導入など、時代に合わせた柔軟な働き方が取り入れられているかどうかも確認します。具体的な医療機関の例を参考にしてみてください。
1)クリニック:家庭との両立のしやすさが大きなメリットですが、お子さんの体調不良でも代務がいないので休みにくいのがデメリットです。
2)大学病院:キャリアを磨きたい、研究や教育に携わりたい女性医師におすすめです。
3)地域医療センター:患者さまとじっくり向き合い、地元に密着した医療を提供することに関心がある方におすすめです。医療と地域貢献という2つの面でやりがいを感じられると思います。
4)非常勤やスポット勤務:育児や介護など、「ワークライフバランス」の「ライフ」に重点を置く人におすすめです。勤務時間や曜日を固定することで、家庭と両立しながらある程度の収入も見込めます。
5)開業医:自身が院長となるケースです。経営の手腕が問われ、看護師ほかスタッフを管理する仕事、融資を受けての開業になると思うのでお金の管理という仕事が出てきますが、すべてが自分次第という部分でやりがいを感じていただけると思います。
迷ったらキャリアアドバイザーに相談を
働きながら転職先を探すのは、並大抵なことではありません。まずは「キャディカル医師.転職」にご連絡ください。キャリアアドバイザーにお話しいただくことで、なぜ退職したいのか、次の転職先に何を求めるかが明確化します。また、多忙の医師に代わって、転職候補先の情報収集を行い、「非公開求人」にまでアプローチします。職場で「転職活動をしている」ということが周囲に知られにくくなるのもメリットのひとつです。
転職が初めて、あるいは久しぶりの場合は履歴書の書き方や面接についてもアドバイスいたします。
まとめ
・医師として活躍する女性は年々増加の傾向にあります。
・女性医師はライフステージの変化の影響を受けやすく、また、キャリアアップをめざしたい、待遇に対する不満といった理由も転職のきっかけになります。
・転職後の理想の働き方を元に、どのような医療機関を選ぶか考えましょう。
・日々の仕事と家事や育児に忙しいと、転職活動を始めることができません。転職エージェント会社を利用するのもよいでしょう。
出産や育児にかかる負担がどうしても大きくなることの多い女性医師。ハードな医療職に就きながら転職先を探すのは大変です。転職活動で無理をしすぎないよう、「キャディカル医師.転職」をご活用ください。「転職」は目的ではなく、転職先という新天地で充実した日々を送るための手段です。退職理由の伝え方やタイミングといった基本的なことから、転職先探しに情報収集、面接対策に至るまで「キャディカル医師.転職」のキャリアアドバイザーがサポートいたします。
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